シニアが熱中症と間違えやすい夏の脳梗塞①
シニアが熱中症と間違えやすい夏の脳梗塞①

シニアが熱中症と間違えやすい夏の脳梗塞①

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夏は脳梗塞の季節

夏は脳梗塞の季節と聞くと、エッと思うかもしれませんが、国立循環器病センターの調査で、脳梗塞は6~8月の夏に多く発症することが分かりました。そこで夏の脳梗塞の注意点と対策、自分でできる簡単チェック法をまとめました。

 

脳梗塞と熱中症

暑い夏、シニアが特に注意すべき事があります。

それは、脳梗塞を熱中症と勘違いしないよう気を付ける事です。

脳梗塞は、症状が熱中症と似ています。暑さで「めまい」「吐き気」「脱力感」「ふらつき」「無反応」などの症状が出たときは、熱中症と同時に、脳梗塞の可能性もあるのです。また、熱中症から脱水が進んで脳梗塞になる場合もあります。シニアだけではありません。30、40代で脳梗塞を起こす「若年性脳梗塞」もあります。若くても安心はできません

この場合、涼しい場所で休んでも治りません。暑いから熱中症だと思いこまず、一刻も早い対処が必要です。

 

脳梗塞とは?

脳梗塞とは、脳の血管が詰まって、脳細胞が壊死してしまう病気です。死んだ脳細胞は、二度と再生しません、一命を取りとめても、意識障害や手足のマヒ、言語障害など、重度の後遺症を残す場合が多くあります。

 

脳卒中とは?

脳卒中という言葉もよく聞きます。これは何でしょう?

脳の血管障害には、血管が「詰まるタイプ(脳梗塞)」と「破れるタイプ(脳出血・クモ膜下出血)」の2つがあります。MRIやCTスキャンができる前は、脳の中を見ることができず、どちらなのか区別できませんでした。そこで全部まとめて「脳卒中」と呼んでいたのです。

 

治療法の違い

「詰まる」と「破れる」。この2タイプは治療法が全く違います。

「詰まるタイプ」には血栓(血のかたまり)を溶かして、血液を流すための薬を用います。

一方「破れるタイプ」にこの薬を使うと、さらに血液が流れ出して大惨事になります。

しかし、昔は外見から判断できないので、「脳卒中の発作が起きたら動かすな」が鉄則でした。
かつて、東京・築地の料亭「新喜楽」で佐藤栄作元首相が脳卒中で倒れたとき、医師団の見守る中、5日間もその場に寝かせていたのは有名な話です。
佐藤元首相は「破れるタイプ」の脳出血でお亡くなりになりました。

現在では、脳卒中は一刻も早く救命救急センターに送るのが常識です。

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夏は「詰まる」冬は「破れる」

冬は寒さで血管が収縮するため、「破れるタイプ(脳出血・クモ膜下出血)」が多くなると考えられます。

夏に多いのは、「詰まるタイプ(脳梗塞)」です。

その原因は、ズバリ体内の水不足。

汗をかいて水分が不足すると、体が脱水症状に陥り、血液が「ドロドロ」になります。その結果、血栓が詰まりやすくなるためではないかと考えられています。

特に、夜間は発症しやすくなります。夏は寝ている間に脱水が起こりやすく、さらに飲酒や血圧の変化でも血管が詰まりやすくなるからです。

では、どうすればよいのか?

次回、夏の脳梗塞の対策と自宅でできる簡単テストのやり方。

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