夏の対策、脳梗塞と熱中症の見分け方と、隠れ脳梗塞の簡単なテスト法を御紹介します。
脳梗塞特有の症状
脳梗塞には特有の症状があります。それを知ることで、ある程度熱中症と見分けることができます。
① 顔や体の片方がマヒする、動かない
② 言葉が出ない
③ ろれつが回らない(特に、さ行、ら行、ぱ行)
④ 視野が半分欠ける
このような症状が現れたら、急いで対応する必要があります。
隠れ脳梗塞テスト
今現在なにも自覚症状がない方も安心できません。実は50代以上のシニアの多くは「隠れ脳梗塞」を持っている可能性があります。
「隠れ脳梗塞」とは、自覚症状の少ない微小な脳梗塞です。「無症候性脳梗塞」とも呼ばれ、普段は気が付かず、たまたま脳ドックの検査などで見つかる場合が多くあります。かくれ脳梗塞があると約10.5倍も脳卒中を起こす頻度が高くなると言われています。
そこで、脳梗塞かどうかチェックできる簡単なテストをやってみましょう。
うずまきテスト
◎手指の細かい運動機能をチェックするテストです。
① 紙に黒いペンで5mm幅のうずまきを5周書いてください
② 続いて、赤いペンで黒い線のすき間に、10秒以内でうずまきを書きます
*上記渦巻き図を拡大プリントして使ってもできます
(判定)
黒と赤の線が2か所以上重なったり、はみ出している場合は要注意!
ミンガッツィー二テスト
◎小脳から大脳の広い範囲にある錐体路(運動性経路)の異常をチェックするテスト。半身まひが起きる前の軽い段階をチェックできます。
① 仰向けに寝ます
② 目をつぶります
③ 両足を45度持ち上げます
④ そのままキープ
(判定)
キープできずに下降した場合、大脳の運動野に異常の可能性あり!
FAST
「FAST」という簡単なチェック方法もあります。
F:Face(顔)歯を見せて笑う
➡片方がゆがむ
A:Arm(腕)両腕を水平に上げる
➡片方が下がる
S:Speech(言葉)会話
➡ろれつが回らない・言葉が出ない
T:Time(発症時刻)
3項目のうち一つでも症状があれば、脳梗塞の疑いあり。時刻を確認してすぐ119番。“発症時刻”は重要です。
脳梗塞には、血栓を溶かす“特効薬”があります。ただし、発症後4時間半以内に限ります。それを超えると、血管組織が壊れている可能性があり、かえって大出血を起こす危険が大きいのです。前半でお話した佐藤元首相の例を思い出してください。
脳梗塞対策は水
夏の脳梗塞対策は水分補給です。脱水症状にならないよう、こまめに水分を補給しましょう。
脳梗塞発症の多くは、睡眠中と朝の起床後2時間以内に集中しています。特に就寝前と起床後にもコップ一杯ずつの水を飲みましょう。
高齢者はのどの渇きに鈍感になっているので、乾いていなくとも定期的に水分補給してください。
アルコールやカフェインは、利尿作用がありますので、度が過ぎると脱水につながるおそれもあります、ほどほどに。十分な水分を取ることが、脳梗塞にも熱中症にも共通の予防法として効果的です。
熱中症も脳梗塞も、暑い日中だけでなく、夜間屋内で起きることが多くあります。熱帯夜は我慢せず、クーラーを利用してください。
以上夏の脳梗塞の話でした。水をたっぷり飲んで健康に夏を乗り切りましょう。
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