仕事人ファイル10 試験監督 アキラさん(仮名)61歳
50代で病気で退職。その後いろいろなアルバイトを経験したアキラさん。試験監督のリアルな実体験を語ってもらいました。
―どんな仕事ですか?
アキラ:いろんなテストの監督をする仕事だよ。会計士、公務員、消防士などなど世の中には試験がたくさんあるからね。
―仕事の流れは?
アキラ:本番の数日前に講習会がある。簡単な説明と資料が渡されるよ。大きな試験だと会場が3か所くらいある。早稲田、明治、日大とかね。どこに行くか希望できるけど、早い者勝ちだ。講習会はだいたい1時間くらいで終わるね。
アキラ:本番当日は朝8時頃、会場の大学に行く。大講堂で、仕事が分担される。仕事は大きく分けると、監督係と案内係と本部係りの3つだ。
アキラ:監督係は、割り当てられた教室に行き、テストを配って、開始を告げ、不正を監視する。終わったら終了を告げてテストを回収する仕事だ。
アキラ:案内係は、キャンパスの中に会場案内板を立てて、そのわきで案内する仕事だ。大きな試験の場合は、受験番号によって建物が違ったり、1つの大学で試験が2つ以上ある場合もあるから間違えないように案内する必要がある。時間ぎりぎりで来る人もいるから、そんな時は会場まで一緒に走る事もあるよ。
アキラ:本部係は、本部と会場の間のテスト用紙の受け渡しや連絡が仕事だ。これも楽な仕事だね。
―給料や待遇は?
アキラ:時給は1200円。だいたい朝8時頃から夕方5時頃まで、8時間労働で9600円。交通費なし。でも事前の講習会は時給が出ないから、あまり良いとは言えないね。主任監督は1500円出るよ。でも主任監督になるには、経験者で前日にリハーサルに参加できる人だけだ。
―この仕事を始めたきっかけは?
アキラ:50代でうつ病になっちゃって、退職したんだよ。その後2年間仕事をしていなかったんだ。社会復帰しようと思って、仕事を探したんだけど、なかなか無くてね。
アキラ:それで楽そうなバイトだからこれを選んだんだ。でも、毎日試験があるわけじゃないから、他に掃除夫なんかもやっているよ。
―資格や能力は?
アキラ:特に無いね。誰でもできるバイトだよ。働いているのは、社会人が多いね。退職者、主婦、サラリーマンの副業とか、服装はワイシャツとスラックスが必要だからね。ネクタイもケースバイケースで必要になる。
―仕事上のトラブルは?
アキラ:試験は日曜日に大学でやることが多いんだ。大学のキャンパスは広くて、出入り口が何か所もあるじゃない。でも日曜日は正門しか開いていないんだよ。あるとき、うっかり裏門から入ろうと思って時間ぎりぎりに言ったんだ。当然閉まっていた。それで正門まで走って、何とか間に合ったけど、気を付けないとね。
―良い点・悪い点は?
アキラ:良い点は、とにかく楽なバイトだよ。試験が始まっちゃえば、何にもやることが無い、監視しているだけだからね。めんどくさい事務処理や手続きもないし。
アキラ:悪い点は、試験中は静かにじっとしているだけだから眠くなる。これがつらいね。
アキラ:案内係は、外に立ちっぱなしだから、冬は寒いし、夏は暑い。こっちに回されたら不運だよ。
取材後記―
試験監督のアルバイトは楽だといううわさを聞いていましたが、確かに楽そうでした。でも案内係だけは、仕事の内容がほとんど警備員と同じ用です。それと、常時ある仕事ではないので、副業的に考えた方が良いようです。
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