暖かい所から寒い所へ急に移動すると死亡する危険性がある「ヒートショック」とその対策についてお話します。
ヒートショック
冬の浴槽での事故は、夏に比べておよそ11倍にも跳ね上がります。
寒い脱衣所で服を急いで脱いで、慌てて浴槽に入ったことはありませんか?
実はこれ、大変危険な行為なのです。
温かい居間と、寒い脱衣所との温度差が10℃以上になる。
急激な温度変化が引き金となって、血圧が大きく変動、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを起こすことがあります。。
これが「ヒートショック」と呼ばれる現象。
ヒートショックは、入浴に限らず、外出などでも起こります。温かい家の中から、急に戸外に出たとき、心臓がどきどきし始めた時などは、軽いヒートショックの可能性があります。
家庭内で高齢者が死亡する原因の4分の1はヒートショックで、年間1万人以上にもなります。これは交通事故の2倍の死亡数です。
浴槽で溺死する8割以上は高齢者で、その最大の原因がヒートショックである可能性が高く、実際の数はもっと多いと思われます。
事故対策
寒い地方の場合、部屋の中だけが温かく、廊下やトイレ、脱衣所は寒いという家が多くあります。
ヒートショックによる事故を防ぐには、脱衣所などにも暖房器を置いて、温度差をできるだけ小さくしておくことが大事です。
さらに、シャワーを使って湯はりすることで、浴室全体を湯気で温めておくのも効果的です。
そして、入浴の際は、身体をじっくり芯から温めることです。
ぬるめのお湯で長時間つかるのがおススメですが、熱い湯でなくては嫌という人は、短時間でもよいので休みながら何度も入ってください。
もちろん浴室を温かい状態にして。
熱いことで有名な草津の湯の入り方がこの方式です。
外出時の対策
首は顔と手以外で外気に面している唯一の部位です。
顔と手は比較的外気に強いのですが、首は無防備なうえに大きな動脈や神経が通っています。
だから首が冷えるのはもっとも危険です。
出かける30分前から首を温めるようにしましょう。
マフラーだと暑すぎる場合はネックウォーマーがおススメです。
ネックウォーマーをすることで、首を通っている副交感神経も調子がアップします。
副交感神経が好調になると、頭痛、肩こり、だるさなども軽減されるので、出来れば、1日中ネックウォーマーをつけていることをおススメします。
他にもレッグウォーマーやウェストウォーマーも効果的です。
心臓から一番遠く、冷えやすいのが足。
特に、「ふくらはぎ」は第二の心臓といわれるくらい部位です。
ふくらはぎが冷えると、冷えた血液が体中を冷やします。
そんな時は、レッグウォーマーがおススメです。
お腹も生命に直結する重要な部位、特に女性にとっては大切なところ。
おへその下1~2センチの丹田というツボをウェストウォーマーで温めると、内臓の働きがぐっと良くなります。
最近では腹巻き女子も急増中です。
ウェストウォーマーを着たまま寝るのもおすすめです。
ただし、体を締め付けないものを選びましょう。
窮屈なインナーは、リンパ節を圧迫したり、皮膚の感覚を鈍らせます。
少しゆったりめのものを着ましょう。
まとめ
ヒートショックを予防するためには、体温を常に36.5℃くらいに保つのが理想的です。
そのために、家全体を温かくして温度差を少なくすること、ネックウォーマーなどを活用して体を冷やさないことが大切です。
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