テレビ朝日「スーパーJチャンネル」「グッドモーニング」TBSテレビ 「噂の東京マガジン」<週刊見出し大賞>で放送され、女性セブンでも話題になった“ぎっくり首”についてまとめてみました。
ぎっくり首とは?
ポケモンGOに夢中になっていたら、突然首に激痛が走った、首が動かなくなった。
これは、“ぎっくり腰”ならぬ、“ぎっくり首”と呼ばれ、最近急増しています。
10月にテレビ朝日「スーパーJチャンネル」で放送された首こり博士・東京脳神経センターの松井孝嘉博士によると、「ぎっくり首とは、“頸筋症候群”(首こり)のひとつ」ということです。
首こりは、心身のあらゆる不調“不定愁訴”の原因となる厄介な症状。
日本の成人の約9割が首になんらかのトラブルを抱えていると言われています。
ぎっくり首の原因
「ぎっくり首」の原因は何でしょう?
松井博士によると、「うつむき姿勢」が首の筋肉を破壊するそうです。
スマホやノートパソコンを使っているとうつむきの姿勢が続きます。
特に最近では、ポケモンGOなど人気のゲームで大人も子供もうつむく時間が激増しています。
長時間のうつむき姿勢で、首の筋肉が疲労して、金属のように硬くなってしまいます。
そこで急に伸ばすと筋肉が損傷して炎症を起こし、激痛が走る。
これが、ぎっくり首の正体です。
つまり、「ぎっくり首」は、「スマホ症候群」と同じ首の筋肉がかたまる“首こり”なのです。
頭の重さは5キロ以上
でも、うつむいているだけで、そんなに首の筋肉は疲労するのでしょうか?
実は、頭の重さは成人で5~6キロもあり、うつむくと、さらに負荷がかかります。
アメリカのケネス・ハスラー医師の研究では、首の重さは30度傾けると約3倍に、45度で4倍の20キロもの負荷になるといいます。
これだけの重量での長時間のうつむき姿勢は、想像以上に首の筋肉を疲労させているのです。
ぎっくり首の対策
ぎっくり首で痛みが走ったら、安静にして、痛みが鎮まるのを待つことです。この時、固定したり、強い力でたたいたりもんだりすると、かえって治りにくくなります。
首こり対策は、“動かさず安静にして、温めること”。
この季節は特に体が冷えやすいので、日頃から首まわりを温め、柔軟性を高めておくことが大切です。
首こりとは?
では、「ぎっくり首」や「スマホ症候群」の原因である、「首こり」とは何でしょうか?
松井博士によると「首こり」は、「こり」といっても「肩こり」とは全く別なものです。
首こりは、長時間のうつむき姿勢などで首の筋肉が疲労し、自律神経に異常が起こることで、首の骨がまっすぐに伸びてしまう「ストレートネック」などにもなります。
首は脳と身体を結ぶ重要な自律神経の通路。
自律神経は、身体の様々な器官や分泌などを支配しています。
首こりでストレートネックになると、この「自律神経」が破壊されます。
交感神経と副交感神経
近年、神経内科だけでなく胃腸科や心療内科医も注目しているのが「自律神経」です。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。
交感神経
交感神経は活動モードの神経です。
身体を緊張状態に保ち、眠気を飛ばし、食欲も押さえて、戦いに集中させます。
興奮しているときは、眠くならないし、お腹もすきません。
交感神経が優位に働いているからです。
副交感神経
副交感神経は安息モードの神経です。
身体を休めリラックスさせ、気持ちを安らげ、ぐっすり眠らせます。
この2つの神経交感神経と副交感神経が、
バランスよく働くことで私たちの健康は保たれます。
ところが、「首こり」になると、副交感神経が大きなダメージを受け、バランスが崩れてしまいます。
2つの神経のバランスが崩れるとどうなるか?
副交感神経の働きが低下し、交感神経が優位に働き始めます。
すると、いつも戦闘モードでいることになります。車でいえばアクセルを踏みっぱなしの状態。
当然、体はいつまで経ってもリラックスできません。
不眠や食欲不振、慢性疲労症候群などで、たちまち疲れてしまします。
その結果、様々な心身の症状が出できます。
首こりの症状
自律神経は、涙・唾液・汗・血圧・体温、さらに肺・心臓・血管・消化管・膀胱・子宮・内分泌線など各器官をコントロールしています。
だから首こりにより、自律神経のバランスが崩れると驚くほどたくさんの全身症状が出ます。
①「頭痛」や「めまい」の慢性的症状。
②「肩こり」「首こり」などの筋肉痛の症状。
③「下痢」「便秘」などの消化器系の症状。
④「ドライアイ」「ドライマウス」など涙や唾液の症状。
⑤「涙目」「多汗症」など涙や汗が止まらない症状。
⑥「血圧不安定症」「どうき」など血圧の症状。
⑦「冷えのぼせ」など体温調節異常の症状。
⑧「慢性疲労症候群」や「自律神経失調症」など不定愁訴の症状。
身体の症状だけではありません。慢性化する不調のために、心の症状も出ます。
何処に行っても治らない症状に苦しみ、一方では周りから怠け者と見られ、自分を責めるようになります。
その結果、「パニック障害」や「新型うつ(自律神経うつ)」など心の症状が出てきて、最悪は自殺志向に陥ります。
首こりチェック
自分でも知らないうちに首こりになっているかもしれません。思い当たる項目をカウントしてください。
1□ 頭痛、肩や首のこり
2□ めまい、耳鳴り、立ちくらみ
3□ 胃の不調、吐き気、食欲不振、ボウマン感
4□ 不眠、疲れやすい
5□ 血圧不安定、心臓が急にドキドキする
6□ 汗を沢山かく、顔や手足にだけ汗をかく
7□ 目が疲れる、乾燥する、まぶしい
8□ 下痢や便秘をしやすい
9□ 喉に違和感があり、飲み込みづらい
10□ イライラや意欲減退や落ち込み
【判断基準】
◎2項目以上:首こり度20%以上。要チェックです。
◎5項目以上:首こり度50%以上。大注意です。生活に支障が出る可能性があります。
◎7項目以上:首こり度70%以上。すでに毎日が苦しいはずです。
※このチェック表は、首の筋肉異常を測る目安です。チェックが多い場合は、他の病気の可能性もあるので病院での診断も検討してください。
これらの症状は、自律神経の不調による不定愁訴とも呼ばれ、首こりにより発症する症状です。病院では原因不明の体調不良と診断され、治療出来ないケースがほとんどです。
首こり対策
うつむき姿勢を減らす
特に、スマホの長時間使用は首に大きな負担をかけます。
見るときは目の高さまで上げると、首への負担が軽減できます。
首こり予防ストレッチ
30分に1回、上を向いて首の筋肉を伸ばしましょう。
- 両手を首の後ろに組んで、首を後ろに倒します。
- 頭の重さをすべて手に乗せて、首の力を抜きます。
- そのまま30秒間。
これで、かなり違ってきます。
首の不調は様々な病気にも結び付きます。自律神経管理は、まず首こりの予防からです。
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