「三春駒」滝桜で有名な福島県三春町の酒です。地元で長く愛されている地酒です。
手に入る時は福島の酒を飲みます。この三春駒、高級酒ではありません。とろける様にまろやかでもありません。
でも、酒本来の武骨なうまさがあります。細かいことは気にせずグイグイいけよと酒が語り掛けてくれます。
酒と関係ない話ですが、桃の季節になりました。自分は福島県の出身です。福島の桃は日本一美味ので、ずっとお中元にしてきました。
でも、震災以来止めました。受け取る人の戸惑いを考えると、贈ることができません。今年は山梨の桃を贈りました。心が辛くなりました。
自分は福島の物を食べ、酒も飲みます。原発事故以来、逆に福島の産物には厳しい基準が設定されていて、もしかして世界一安全かもしれません。
お中元の桃代は2万円くらいでした。福島の風評被害は、一体いくらになるのでしょう。
糸井重里さんは、福島の桃を買った事をTwitterに書き込んだそうです。
でも、「危ないものを宣伝するな」とか「食ベクレル」という批判が書き込まれたと聞きます。
糸井さんは、生産者の努力までもが馬鹿にされたような思いがすると言ったそうです。
「福島の事を忘れないでください。福島に来ないでください。福島のものを食べないでください。」
こんなスローガンまであるそうです。どうすれば人の痛みにここまで鈍感になれるのでしょう。
今も福島には重苦しい空気がよどんでいます。昔と変わってしまいました。でも、みんな黙々と生きています。
原発を再稼働させようとする政治家たちの頭の中が理解できません。未来に対してあまりにも無責任です。
司馬遼太郎さんの晩年の言葉「日本はこのままでは滅びる」。それが実感として感じられるのは年のせいだろうかと思いながら杯を傾けています。
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