毎朝起き上がるのがつらい。体がだるい。夕方になると動けない。そんな人は、慢性疲労症候群になりかかっているかもしれません。
慢性疲労症候群とは?
「慢性疲労症候群」は、いわゆる疲れが溜まった「慢性疲労」とは全く違うはっきりとした病気です。
重篤になると、車椅子で生活するくらいの決して軽い病気ではありません。
小児慢性疲労症候群
さらに日本の子供に増加中なのが「小児慢性疲労症候群」です。
推定では子どもの1%前後が発症するといわれます。
「小児慢性疲労症候群」は、疲労や不眠などの体調不良から学校にいけなくなり、引きこもる子供達のかなりの割合を占めています。
タホ湖の奇病
かつてアメリカ中を恐怖に陥れた謎の病気、それが「慢性疲労症候群」です。
1984年秋、ネバダ州タホ湖北岸のインクラインという町に、だるさ、頭痛、不眠を訴えて寝込む患者が続出。
数カ月間で2万人の町民の10%にあたる200人が発症しました。
さらに、この奇病は各地に発生!
第2のAIDS?と報道され、アメリカを恐怖のどん底に落としました。
そこで各専門機関が総力を挙げて調査を開始。しかし、原因は不明でした。
結局、この奇病は1988年に「慢性疲労症候群」と命名されました。
慢性疲労症候群は、ナイチンゲ-ルやダ-ウィンも苦しんだといいます。
現在もはっきりとした治療法が分からず、薬もありません。
患者数は?
日本の患者数は推定24万~38万人、潜在患者はその数倍といわれています。
そのうち、約3割の患者が寝たきりに近いと推定されています。
しかし、認知度の低さから、うつ病や更年期障害と誤診されるケースがほとんどです。
症状は?
慢性疲労症候群は、激しい疲労感や筋肉痛に襲われ、日常生活が困難になり、最後は寝たきりになってしまう病気です。
周りからは仮病と見られ、孤独感から「うつ」に陥ることが多くあります。
疲労とは?
「疲労」「痛み」「発熱」は身体の3大警報です。
疲労は、生存の危機を感知して休息をとるよう脳に警告します。
慢性疲労症候群は、この警報機が壊れて、延々と警報が鳴り響いている状態です。
そのため、どんなに休んでも、激しい疲れを感じ続けるのです。
原因は?
これまでウイルス説など様々な説が出ましたが、医学的には断定できていません。
最近では、生体アラームの誤作動から考えて、神経の変調、特に自律神経の不調が原因という見方が強まっています。
自律神経とは?
交感神経と副交感神経の2つの神経が、バランスよく働いて、私たちの健康は保たれます。
ところが、副交感神経の働きが低下すると、交感神経が優位に働き出します。
車でいえばアクセルを踏みっぱなし、エンジンが悲鳴を上げ始めます。
自律神経の症状
さらに副交感神経の調子が狂うと肩こり、頭痛、めまい、微熱などいろいろな症状が発症、安息できずに疲労感が増大します、これが慢性疲労症候群です。
首こり
自律神経のバランスが崩れる原因は、「ストレス説」と「首こり説」があります。
長時間の残業や人間関係などのストレスが、自律神経のリズムを狂わせる、それがストレス説。
首を通る神経が、首こりによりダメージを受ける、それが首こり説です。
仕事に追われ、人間関係に疲れ、長時間パソコンやスマホを使用する現代の生活、2つの説の両方が複合的に関わっていると言えます。
ストレスのない生活を送ると同時に、首こりにも気を付ける必要があります。
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