池波正太郎氏のエッセイ「東京のうまいもの〜散歩のとき何か食べたくなって」に出てくる「豆腐を炒りぬいたふりかけ」を作ってみました。
「鬼平犯科帳」や「仕掛人梅安」など数々の時代小説を生み出した池波正太郎氏は、当代きっての江戸通であり、グルメでもありました。
彼の小説には、江戸の庶民の生活がイキイキと描かれていて、大いに楽しめますが、中でも食べ物の描写は素晴らしいものがあります。
劇中に絶妙のタイミングでさり気なく出て来る「小柱のかき揚げ蕎麦」や「シャモ鍋」「根深汁」は垂涎モノ。
「たくあん」や「たにしの煮付け」でさえ、コレ食べたい!
そう思わせるものがあります。
池波氏の食に関するエッセイはいくつか出ていますが、
なかでも、「東京のうまいもの」は、彼が若い頃から食べ歩いた東京の老舗がふんだんに出てきます。
その中に、日本橋の天ぷら屋「はやし」の「豆腐を炒り抜いたふりかけ」というものが出てきます。
初めて見たときは驚きました。
これが豆腐か?
そう思うくらい細く炒りぬかれています。
これが意外に美味く、飯を4杯もお代わりした人もいるそうです。
【豆腐を炒りぬいたふりかけ】
<材料 (二人分)>
木綿豆腐 1丁
胡麻油 少々
醤油 少々
<作り方>
1豆腐をフライバンに入れ、崩しながら炒り続ける。
2豆腐の水気が飛んだら、一旦火を止めて、胡麻油、醤油を加える。
3混ぜながら、再び火に掛ける、
4更に炒り上げる。焦がさないように中火で。
このくらいだと、豆腐っぽさが残っていて十分うまいです。特に決まりはないので、どこまで細かく炒るかはお好みで決めてください。
さらにしつこく煎り続けてたら、ここまで細かくなりました。
最後にすりごま、唐辛子などを加えて、熱々の飯にのせ、ガバッと食います。
豆腐ってこんなにうまかったっけ?
本当にそう思います。
これだけでご飯が2杯はいけます。
材料も作り方も超シンプルですが、豆腐の水気をとばすのは時間がかかります。
日曜の昼下がりに、池波正太郎の小説でも読みながらユックリやってみてください。
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