寒くなると、頭痛肩こりはもちろん、胃もたれ、胃痛、下痢、便秘などの胃腸障害、ドライアイなど目の症状などで体調を崩す人が増加します。冬の体調不良について原因と対策をまとめました。
冬の胃の異常(機能性胃腸症)
胃痛、もたれ、吐き気、食欲不振、むかつき、膨満感がある。でも胃カメラで検査しても、異常が見られない。そんな経験をした方は多いのではないでしょうか?
これは「機能性胃腸症」と呼ばれ、最近増えている症状です。消化器科を訪れる患者の50%以上は、この症状と言われています。
昔は「胃下垂」と呼ばれたり、最近は「神経性胃炎」とか「慢性胃炎」と診断されてきました。原因も治療法もありません。
冬の下痢・便秘(過敏性腸症候群)
電車やバスの中で、突然おなかが痛くなってトイレに駆け込む。突然の激しい下痢や便秘。こんなことが頻繁に続くようなら「過敏性腸症候群」かもしれません。下痢と便秘を交互に繰り返すこともあります。患者数は推定50万人ともいわれています。
「過敏性腸症候群」は病院で検査しても、何の異常も発見できません。有効な治療法もありません。
冬のドライアイ
目が乾いて、暑中目薬をささないと辛くてたまらない「ドライアイ」。ドライアイは、日本では約800万人いるとも言われています。
ドライアイやドライマウスの原因は、涙が十分に出なくなるからです。それで瞳がいつも乾いていることになり、ドライアイが発症します。ちなみに「ドライマウス」も、同じように唾液の量が減少することで、口の中が乾いて起こります。
ドライアイは眼科で検査しても、ほとんど異常が発見できません。涙代わりの目薬を処方されるだけで、有効な治療法がありません。
冬の涙目
泣いているわけでもないのに、涙がこぼれる「涙目」。この原因は、ドライアイとは逆に、涙の量が多くなりすぎることです。
冬の疲れ目
「目がまぶしい」「物がぼやける」そのせいで目が疲れやすい場合は、瞳孔の開閉に問題が起きている場合があります。正常に開閉しないために、ピントが合わなかったり、まぶしかったり、逆に薄暗かったりします。
原因は自律神経
これらの症状が起きて体調が悪い。そこで病院で検査してみたが、異状なしと言われた。そんな時は、自律神経に異常が起きている場合がほとんどです。
胃や腸をコントロールしているのは「自律神経」。涙や唾液、汗、瞳孔、血圧、体温などの働きをコントロールしているのも「自律神経」です。
だから、自律神経の調子が狂うと、正常なコントロールが効かなくなって、全身にいろいろな症状が出ます。
食道、胃、腸は蠕動運動(ぜんどううんどう)により食物を送りますが、これが正常に動かなくなります。すると見た目は正常でも、食道に食べ物が引っ掛かったり、逆流したり、胃がもたれたり、便秘や下痢といった症状が起こります。
涙の量もコントロールできなくなり、目が乾いたり、潤んだりします。
瞳孔の収縮もコントロールできなくなり、光を当てても、瞳孔が開きっぱなしになる「瞳孔散大」という症状が起こります。
昔は、医者が目にライトを当てて、瞳孔が変化しなければ「ご臨終」と宣告していましたが、これと同じ状態になってしまいます。
これらの症候群にかかる人は、頭痛やめまいなども併発する人が多くいます。それら様々な症状も検査で異常がなければ、自律神経の不調が関係しています。
冬の自律神経異常はナゼ?
では、ナゼ冬に自律神経の異常が多く出るのでしょう?
その原因は首が冷えるからです。
首は頭と体をつなぐ沢山の神経の通路。本来冷やしてはいけない部分です。でも、首は人体の中で顔と手以外で外気に触れる唯一の場所で、冬は特に冷えやすくなります。
寒い時は、自然に体がこわばり、無意識のうちに首の筋肉に力が入ってしまいます。これが「首こり」を引き起こし、固まった筋肉が自律神経を圧迫し、異常を引き起こすのです。
自律神経対策
首をできるだけ冷やさないようにすることが肝心です。冬の外出は必ずマフラーなどをして首を外気にさらさないようにして下さい。
また自律神経は、毎日の規則正しい生活、軽い運動、入浴や睡眠でかなり改善できます。
具体的なやり方は
不眠症対策!ぐっすり眠れる自律神経を整える入浴と睡眠法
に詳しく記載してあります。
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